組織開発や人材開発に関する雑感~外部コンサルや事業会社などの視点から~

組織開発や人材開発に関する日々の雑感を不定期で投稿しています。大学の研究員▶︎スクールビジネス▶︎研修会社と人事コンサルを経て、事業会社で組織開発の仕事をしています。

「人材開発」を一言で考えると?②

前回の記事で、人材開発を一言で考えると、

 

一つは、『パフォーマンスの最大化』もう一つは、『課題解決』

 

だと書きました。

そして、人材開発に携わる上で、常に「この人に求められているパフォーマンスは何でだろうか?」と考える、思考の条件反射が重要とお話しました。

 

今日は、そのパフォーマンスの最大化について、もう少し考えていきたいと思います。

 

パフォーマンスの最大化。。。

ものすごく、抽象度が高い言葉です。

これだけで終わると、『いや、それはそうなんだけどさ、、』ってなりますよね。

 

日々、組織の人材開発を考える中で、私が、ある個人へのアプローチを考える時、

どんな順序で考え、言語化しているかを振り返りました。

 

組織の、ある個人への育成アプローチを考える時、まず、パフォーマンスを3つの軸で考えていると思います。

 

①その人に求められる数値化できる成果は何か?:数値への貢献

②その人に求められるアウトプットや成果物は何か?物事への貢献

③その人の影響で、周囲の誰がどんな言動をすれば良いのか?:人への貢献

 

その「ある個人」が組織マネジャーの場合は、①と③が主になるでしょうか。

 

その上で、上記の①②③を実現するために

 

A.その「ある個人」は、どんな行動習慣を身につければ良いのか?

B.どんな、技術、知識を身につければ良いのか?

C.思考、価値観を醸成すれば良いのか?

D.当人へのどんな機会提供があれば良いのか?

E.当人へのどんな周囲からの関わりがあれば良いのか?

 

を考えます。

 

この時、C.は実際、あまり重要視しません。

人材開発の世界でよく言われるように、人の性格や価値観は直接変えることはできず、行動習慣を実践した結果でしか変化しないからです。

(よく、「こういうスタンスを醸成したい」とオーダーを頂きますが、その時は、まず、「スタンスは直接変えられませんので、行動を変えませんか?」と提案します)

 

逆に重要視するのは、A.はもちろんですが、D.とE.です。

 

人は機会(経験)を通してしか成長せず、更にそれを独力で行うことが難しく、他者の関わりが必須だからです。

 

いわゆるスポットの集合研修をデザインする際、A.は前提としても、B.やC.にフォーカスしてしまうことがあるのではないでしょうか?

※それはそれで価値があるとは思いつつ、やはりパフォーマンスの最大化を考えると、やや遠回りな気はします

 

スポットの集合研修に限らず、あらゆる育成施策において、A.からE.までを検討しデザインする事で、そしてそれを取り組むことに組織のステークホルダーの共感を得る事で、より効果効率の高いアプローチになると感じます。